2019.11.29
経済・ビジネス

賃貸市場に参入したOYOは賃貸オーナーにとって敵か味方か

(写真=Sunny studio/Shutterstock.com)
(写真=Sunny studio/Shutterstock.com)
インド発のユニコーン企業として知られるOYO(オヨ)。2019年2月にヤフーと合弁会社を設立。ホテルチェーンをメイン事業に展開してきた企業にも関わらず、日本では賃貸市場に参入すると発表して人々を驚かせました。同社の経営戦略、成長スピード、賃貸オーナーに提供するスキームなどにフォーカスします。

OYOが日本の賃貸市場へ参入した理由とは

OYOとヤフーが設立した合弁会社(※)が2019年3月からスタートした賃貸サービスが「OYO LIFE(オヨ ライフ)」です。その内容は、家具家電付きの賃貸物件に敷金・礼金・仲介手数料0円で入居できるというもの。
※OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN株式会社(以下、OYO T&H)

一般的な日本のマンスリーマンションやシェアハウスと似たビジネスのようにも見えますが、「スマホひとつでカンタンに契約が完結できること」が大きな違い。部屋の予約・契約をオンラインで行い、クレジットカードで決済。「最短(計)30分で入居手続きが完了する」と同社では打ち出しています。

しかし、OYOといえばホテルチェーンをメイン事業としてグローバル展開してきた企業です。なぜ、日本では賃貸市場への参入を決めたのでしょうか?これについて、OYO T&HのCEO勝瀬博則氏はWEBメディア『XD(クロスディー)』のインタビューで次のように語っています。

「強調したいのは、OYOは自分たちを『ホテルの会社だ』と言ったことはないということです。人々が生活する場を居心地の良いものに、という意味を込めた『Quality Living Space』を重要視したサービスを一貫して提供しています。つまり、『生活する場』という意味では、私たちにとってホテルと賃貸住宅に大きな違いはないということです」

加速するOYO:スタートアップ時に確保した物件数1,000軒、入居率は114%

OYO LIFEは今、凄まじい勢いで急成長しています。それを象徴するのが、従業員数の伸び。合弁会社設立前に「OYO LIFE」を立ち上げた当初は10名程度のメンバーしかいませんでしたが、2019年6月には従業員数500名までに成長しています。しかも、世界最高峰のMBAスクール卒、外資系経営コンサル出身といった、そうそうたる経歴を持つ多国籍の優秀な人材が数多く集まっています。

伸びているのは従業員数や人材の豊富さだけではありません。OYO LIFEがサービススタートアップ時に東京都内で確保した賃貸物件数は1,000軒(2019年3月現在)。入居率は予約を含めて100%を超え114%と好調です。

OYO LIFEから賃貸オーナーへ提供する安定経営のためのスキーム

こういった規模感・スピード感を目の当たりにすると、以下のような疑念が湧いてくるオーナーもいるのではないでしょうか。

「OYOの影響で一般の賃貸経営がしにくくなるのではないか?」
「もし、同じエリアでOYOの物件と競合になったら厳しいのではないか?」
「OYOは賃貸経営者の“敵”ではないだろうか?」

この疑念についてOYO T&HのCEO勝瀬博則氏は、『NewsPicks(ニューズピックス)』での堀江貴文氏との対談で「僕らがどんどん(賃貸物件を)借りて、それを貸しやすい形にして貸す」だから中小業者とは友だちである、と強調しています。

具体的には、OYO LIFEは賃貸オーナーに対して、既存のサブリース契約と似た仕組みを提供しています。この仕組みを活用することで、OYO LIFEは安定経営を実現するためのスキームになり得ます。主なサービス概要は次の通りです。
  • オーナーの所有物件を長期(2~5年)で借り上げることで空室対策を実現
  • 24時間コールセンターで入居者管理に対応
  • OYO LIFEが部屋のIoT化など資産価値向上を図る
一方で、1クールの借り上げ期間が2~5年と従来のサブリースよりも短めの設定になっています。この点をデメリットととらえるかどうかは賃貸オーナーによるでしょう。

現在OYO LIFEは、関東圏の一都三県(東京・千葉・埼玉・神奈川)、関西圏の二府一県(大阪・兵庫・京都)で賃貸物件を募集しています。物件募集条件は以下のとおりです。厳しい募集要件ではないので該当する物件は多いのではないでしょうか。

・賃料:12万円以下
・駅徒歩:15分以内
・部屋タイプ:1R~1DK
・部屋面積:12~40m2
・築年数:35年以内
※5階建て以上は要エレベーター

OYOの賃貸市場変革の流れに乗るべきか?検討時のポイント

CEO勝瀬博則氏はOYO LIFEの事業展開の根底に「少子高齢化により賃貸物件が余る日本の課題がある」と解説しています。オーナーと入居者のマッチングを効率的にすることでこの課題を緩和。それと共に、部屋と一緒に生活に関わる様々なサービスを提供していくことで利益を最大化するのがOYO LIFEの戦略です。すでに家事代行やカーシェアリングなどの有力企業が協業を表明しています。

OYO LIFEの打ち出したイノベーションは、賃貸オーナーの利益に貢献してくれるかもしれません。一方でOYO LIFE頼みの賃貸経営になればリスクもあり得ます。新しい仕組みは新鮮で魅力的にうつりますが、賃貸オーナーは慎重に検討すべきでしょう。

※本稿はOYO LIFEを推奨するものでも、否定するものでもありません。問い合わせ・契約などはご自身の判断でお願いいたします。

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