2020.5.20
経済・ビジネス

グリーンボンド(環境債)市場が急拡大!長期運用重視の投資家は要チェック

(Monthira/Shutterstock.com)
(Monthira/Shutterstock.com)
グリーンボンドと呼ばれる、環境関連をテーマにした債券の国内・海外の市場が急拡大しています。株式など伝統的資産との相関性が薄いことから、分散投資によるリスクヘッジ効果が期待されるこの新しい債券について、今回はご紹介します。

国内のグリーンボンド市場は5年で24倍も成長している

はじめに、国内・世界のグリーンボンド市場がいかに急拡大しているかを実際に数字で見ながら実感していただきましょう。

まずは、国内のグリーンボンド市場の推移です。2014年の発行件数は1件のみで発行額は337億5,000万円でしたが、2019年には58件と急増し、発行総額も8,238億3,000万円まで拡大しています。2014年からの5年間で、約24倍も成長しているのです。
 

一方、世界のグリーンボンド市場は2019年で2,575億ドルです。この時点ですでに30兆円に迫るビッグマーケットになっています。2014年からの5年間で約7倍に成長し、2019年は前年比800億ドル以上の伸びを示しています。

このように急成長しているグリーンボンド市場ですが、その発行額は国内よりも先行している世界で見ても、債券全体のわずか2%程度しかありません(金融情報会社リフィニティブ集計)。国内・世界ともにグリーンプロジェクトへの視線が集まる中、今後さらなる伸びが期待できる市場と言えるでしょう。

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グリーンボンドの生命線は、資金の使い途の透明性

ここからは、グリーンボンドの定義や発行主体などを確認していきしょう。グリーンボンドの特徴について、「グリーンボンド発行促進プラットフォーム」では以下の3点を挙げています。
  1. 使い途をグリーンプロジェクトに限定
  2. 資金の流れが確実に追跡・管理できる
  3. 上記2つについて透明性が確保される
ポイントは、投資した資金が確実にグリーンプロジェクトに使われるという点です。これを担保する透明性が、グリーンボンドの生命線と言えます。この透明性は、発行前の第三者機関の評価、発行後のレポーティングなどでチェックされます。

ちなみに、グリーンボンドの発行主体には企業だけでなく、金融機関や地方自治体も含まれます。また機関投資家だけでなく、個人投資家もグリーンボンドに投資することができます。

グリーンボンドの分散投資によるリスクヘッジ効果

投資家サイドから見たグリーンボンドのメリットとしては、以下の3点が考えられます。

株式や一般的な債券などの伝統的資産との相関関係が薄くオルタナティブ投資の性格を持つため、分散投資によるリスクヘッジ効果が期待できる
グリーンボンドへの投資により、長期的なリターンを得ながら持続的に社会へ貢献することができる
プロジェクトの持続性や環境貢献度を基本としたスキームのため、発行主体と投資家の中長期的な関係性を構築しやすい

一方グリーンボンドのデメリットとしては、以下の2点が考えられます。
  1. 低金利のケースもある
  2. 市場規模が小さいため、流動性が悪いこともある

国内のグリーンボンド 3つの事例紹介

国内では、どのようなグリーンボンドが発行されているのでしょうか。日本電産、トヨタファイナンス、住宅金融機構の事例を紹介します。

グリーンボンドの事例1:日本電産

日本電産は、2019年11月に1,000億円規模のグリーンボンドを発行。国内では、過去最大の発行額となりました。用途は、CO2の直接排出をほぼゼロに抑える電気自動車(EV)向けの駆動用モーターの研究開発費などです。日経新聞の記事では、このグリーンボンドは「大半を保険会社や地方銀行が購入したようだ(2020年3月8日付)」と書かれています。

グリーンボンドの事例2:トヨタファイナンス

トヨタファイナンスは、2019年4月に600億円規模のグリーンボンドを発行。電動車(電気自動車・プラグインハイブリッド自動車など)に関する融資や資金に充てるとしています。

グリーンボンドの事例3:住宅金融支援機構

フラット35などを展開する住宅金融支援機構は、2019年1月から2020年1月までに計6回、総額800億円のグリーンボンドを発行。省エネ性能の高い住宅を対象にしたフラット35Sの住宅ローン債権の買取代金などに充てるとしています。

今後、さらにグリーンボンド市場は成長していく可能性が高いです。長期的な投資商品を重視している人は、グリーンボンドを選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

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