2019.4.5
インタビュー

【ベテランコンサルの事例から学ぶ】不動産の相続はなぜトラブルに発展しやすい?リスクを避けるためには?

野村不動産アーバンネット ソリューション営業二部 部長の藤堂成人さん
野村不動産アーバンネット ソリューション営業二部 部長の藤堂成人さん
相続財産として、持ち家がある世代が多い現代の遺産相続。遺産分割などで、不本意にトラブルに巻き込まれることもあるでしょう。そんな中、トラブル解決のために、どのようなことに注意し、どう進めればいいのか、また、そもそも巻き込まれないためにどのような準備をすればいいのか、多くの不動産相続を手がけてきたプロの考えを野村不動産アーバンネット ソリューション営業二部 部長の藤堂成人さんにおうかがいします。

不動産相続では、土地の価値を正確に把握するのがポイント

(写真=PIXTA)
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━━相続トラブルが発生した際に、多くの方が弁護士や税理士に相談すると思います。しかし、相続資産に不動産がある場合は、この分野の専門家のサポートが必要です。たとえば、野村不動産アーバンネットに相談をしたときのメリットはどのようなものでしょうか。

相続に伴うお困りごとのご相談窓口として、流通事業本部において、ソリューション統括部内のソリューション営業二部にてご対応させていただいています。ご対応内容としましては、お客様の保有する資産を総合的に検証し、相続発生前の準備段階から相続発生後のトラブル対応に至るまで、包括的にフォローさせていただくことができます。

また、不動産の属性やエリアなどを限定することはなく、対応をしておりますので、さまざまなお客様にお気軽にご相談いただける体制が整っています。最大のメリットは、不動産の持つポテンシャルや実勢価格を正確に把握してご提案ができることです。

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━━ポテンシャルや実勢価格の把握というのは、相続においてどの程度、大切になるものでしょうか。

不動産は相続の際、路線価をベースにして課税評価額を計算します。路線価とは、国税庁が毎年7月に発表する、その年の1月1日時点の道路に面した1平方メートルあたりの標準的な宅地の価格になります。実際に見込まれる取引価格、いわゆる実勢価格とは大きく異なるのが特徴です。相続財産の内訳が不動産と現預金のみといった場合、そのうち、不動産の割合が非常に大きいことが一般的です。

そのため、不動産の評価次第で相続手続き完了後の相続人の資産に大きな格差が生じる場合もあります。このことが原因で、不動産のポテンシャルや実勢価格を見誤り、路線価を中心に考えたことで資産格差を発生させ、相続人の間で大きなトラブルとなることがあります。 たとえば、相続財産に駐車場があると考えてみましょう。前面道路の幅員が一定で、両サイドに家屋か土地があるとします。

そういった不動産を均等に分ける場合は、キレイに分割することができます。しかし、実際はこのような不動産は珍しく、角地に位置し片側のみに家屋・土地が面していたり、地形が変わっていたり、道路が一部に面していなかったり、という場合がほとんどです。そうすると、面積だけを念頭に均等に分割してしまうと、相続した人によって価値の異なる不動産を持つことになります。

このような場合、角の土地は面積を小さくしたり、日当たりの悪い土地は少し広めに分割したり、というように条件によって調整する必要が出てきます。これは不動産鑑定士でもそれぞれに評価の分かれるところなので、一概に判断するのが難しい部分です。振り返ってみて、あのときもっと精査して、不動産のプロの意見を聞きながらその土地の価値を正確に把握していれば……というのは、相続経験者であればご理解いただける人も多いでしょう。

不動産マーケットを熟知し、その時点のニーズに基づく価値をご提示できるのは、日々、不動産取引の現場にかかわっている、私たち不動産仲介業者ではないかなと考えております。

トラブルに発展しやすい不動産の共有状態はなるべく避けるべき

(写真=PIXTA)
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━━実際の不動産の現況にあった価値というのは、普段から不動産取引にかかわっているプロでないと判断しにくい部分ですね。多くの案件に携わられてきた経験上、相続時に特に注意するべきことはあるでしょうか。

特に注意したいのは、「安易に共有による所有にしてはならない」ということです。容易に現物のまま分割することのできる不動産は非常にまれで、通常は分離分割することが困難なケースがほとんどです。中には、その時点でお金を必要としていない共有者は不動産の分割を拒否することもあります。一方で、相続税の納税期限は、相続を知った日の翌日から10カ月以内という制約もあるので、いったん共有状態にして後々分割をしようという方が多いのも事実です。

しかし、相続発生の時点で仲の良かった兄弟でも、それぞれに生活があるので、いずれ時を経て、どちらかにお金が必要になった際にトラブルになりがちです。現物で分割することのできない場合は、不動産の評価に基づき、保有している持分の割合に応じたお金を支払って精算する「代償分割」、もしくは不動産を売却してお金に換えて、それを持分割合に応じて配分する「換価分割」のいずれかが一般的な解決方法といえるでしょう。

現実的には、代償分割の場合には金額を定めるにあたり一筋縄では決まらず、換価分割の場合には売却にあたり双方が納得し合意する価格でまとめるのが困難だったりもします。また、共有者それぞれに配偶者がいる場合、それぞれに違った主張をするケースも珍しくありません。それが発展して訴訟になることはよくあります。

そのほか、相続人が亡くなった場合、配偶者と子ども、またその子どもの配偶者、といったように利害関係人も増えていきます。そういった意味で、先延ばしにするような共有状態にせず、早めに解決しておくことで、よりリスクの少ない状況で解決方法を模索できるといえます。

相続人の中に生活困窮者がいる場合もトラブルリスクが高い


ほかにも、相続財産が居住用不動産の場合、その不動産の居住者とその他の相続人の間でトラブルになるケースも目立ちます。 税制改正による基礎控除の改定により実質的に相続税は増税となりました。現行の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」ですが、配偶者が相続する場合は法定相続分相当額か、相続財産が1億6,000万円までは相続税はかかりませんので、納税をまぬがれるために被相続人の配偶者が自宅を相続するケースが一般的です。 

しかし、相続人の中に困窮している人がいたり、姑との折り合いが悪い連れ合いがいたりする場合、「すぐに現金が欲しい」といったわがままな主張をするケースもあり、そのような場合もトラブルに発展しがちです。「適正な価値観に基づかない相続による不用意な共有関係を生じさせること」「困窮している相続人がいる場合の相続」といった2つのケースには注意しなければなりません。

また、金融機関は親族間での不動産売買をなかなか認めないという側面もあります。そういった場合は、不動産鑑定士に適正な評価を依頼してみましょう。親族間売買であっても、この金額をクリアすれば生前贈与にならないギリギリのラインを確定し、借り入れをして支払いをする方法が効果的です。しかし、一般の方でこういった方法までご存じの方は少ないので、解決方法について打つ手がなく、トラブルになることも珍しくはありません。

━━そもそも、不動産の相続トラブルを避けるためには、どのようなことに気をつければいいでしょうか。

相続トラブルが発生しやすいのは、相続財産が不動産とわずかな現預金のみといった場合が多く、むしろ莫大な相続財産があるような場合には大きなトラブルに発展しないケースが多いものです。 これらの相続の場合、客観的な評価に基づく分配が容易に可能であり、また相続人も細かいことに頓着することなくまとまりやすい傾向があります。

実際に、家庭裁判所に持ち込まれる「相続争いの紛争」の4分の3は資産総額が5,000万円以下の比較的、少額の遺産を巡る争いであると聞いています。相続に直面したときに「相続財産が実家の不動産のみ」といった場合、不動産を誰が相続するのか、また相続にあたり何を基準に評価するのかといったことが肝要となり、その段階で協議をするというのが大切になります。

相続に伴うトラブルを未然に防ぐには、相続発生前、すなわち被相続人の存命中に法定相続人同士で協力して登記名義人・境界・瑕疵・物件周りの状況など、できる限りの確認作業を済ませておくべきです。 中には、被相続人が「自分の目が黒いうちにそのようなことを……」と、憤慨するケースも想定されるので、秘密裏に進めることができる内容のみでも構いません。

相続人同士が協力して作業することによる一体感が紛争を抑止する効果として期待できます。もちろん、被相続人が予め遺言を残しておくのも効果的です。法的に有効な遺言であれば、仮に揉めたとしても遺留分減殺請求にとどまり、大きな紛争には発展しません。

不動産の実勢価格を把握してから遺産分割協議をはじめるのが理想

(写真=PIXTA)
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━━それでもトラブルに発展してしまった、もしくはトラブルに発展しそうだ、といった場合は、初動としてとるべきアクションはどのようなものでしょうか。

まずは、受け身にならず、専門家を上手に活用して遺産分割の協議を開始することが重要です。相続人同士のみだと感情的になり、水掛け論に終始して泥沼化します。誰かが音頭を取って全員の頭を冷やし、冷静になることを促すというのが最初のステップです。その後、第一次的に相続財産総額の洗い出しをする必要があります。 

現預金や株式といった絶対値が明確な財産は特に問題はないのですが、不動産については簡単に評価することができません。そこで、路線価をベースとする不動産の評価とあわせて、不動産の実勢価格を正確に把握してから遺産分割協議を開始するのが理想です。とはいえ、当事者同士の話し合いは互いに利益相反しスムーズに進まないことも多いので、代理人を立てて話し合いをする方が得策です。
 
その場合の代理人とは、弁護士、税理士といった方々が一般的ですが、不動産の実勢相場に精通していない方も多いことから、当社のような資産コンサルティングが可能な部署で、実勢相場に明るい業者が窓口となり、トータルでコーディネートすることが解決の糸口となると思います。解決方法は1つではありません。相続人同士の属性・素性・背景・家族環境など、すべてを開示していただき、ご相談いただいた案件ごとに、その方が何を欲しているか、これらを加味してご提案するのがコンサルティングです。

当社であれば、首都圏、地方などの垣根なくご対応することも可能です。お困りの際は、まず一度ご相談ください。そこから相続人の皆さんが納得できる相続へと進展していくはずです。

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