2019.5.7
インタビュー

不動産投資家・赤井誠氏に聞く海外不動産マーケット。ハワイとタイを選んだ理由とは

(写真=不動産投資家・ブロガーの赤井誠さん)
(写真=不動産投資家・ブロガーの赤井誠さん)
国内の不動産投資で成功し、海外不動産投資にも進出している不動産投資家・ブロガーで、現在、ノムコム・プロでもコラムを連載中の赤井誠さんに、これから海外へ進出したいと考える投資家向けに現在所有の物件を選ばれた理由、注目している国などをお聞きしました。

>>赤井さんが不動産投資をはじめた理由についてはこちらの記事をチェック

ハワイにコンドミニアムを2戸、バンコクに3戸所有中

━━現在、赤井さんはハワイとタイに物件をお持ちです。この2つの国を選ばれた理由はどのようなものでしょうか。

購入前に、旅行としてさまざまな国を訪問し、私自身がそこに居住してみたいと考えたことも影響しています。タイであれば、日本の高度成長期のように開発が盛んに行われ、国全体が元気な印象です。そういった私自身のマインドにも好影響を与えてくれる場所に物件を所有したいと考えました。

ハワイの物件でいえば、まず減価償却による節税という目的があります。合わせて、世界最大のリゾート地に物件を持つことで物件価値を維持しつつ、私自身のリフレッシュにも使用し、最終的にキャピタルゲイン(売買差益)を狙える部分に魅力を感じました。

━━実際の物件の用途、利用方法はどのようなものでしょうか。

ハワイには、コンドミニアムを2戸所有しています。間取りは、日本的な間取りに換算すると、1LDKの約65平米と2LDKの約80平米。築40年弱ほどです。用途は1戸は民泊、もう1戸はマンスリーのコンドミニアムとして貸しています。

タイでは、全部で3戸の物件を所有しています。1戸はまだ建築中ですが、2戸は賃貸物件です。3物件とも新築で、すでに賃貸にしている2戸は30平米弱の1DK。建築中の物件は約45平米の1LDKです。1DKの方は日本法人があるエリアに居住する現地人向け、1LDKは現地法人に赴任している単身の外国人向けの物件です。

民泊活用のほうが利回りはよいですが、バンコクでは3年ほど前に民泊にかかわる大きな騒動があり、現状ほぼすべての物件で民泊が禁止とされています。不特定多数が物件に入れないようにするため、そこそこの規模のあるマンションや新築物件には、エレベーターやプールなどの共有部分に指紋認証による解錠システムなどが導入されている場合も多いです。

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節税効果とリゾートとして楽しめるハワイは投資対象として魅力的

ハワイ・ワイキキビーチ(写真=PIXTA)
ハワイ・ワイキキビーチ(写真=PIXTA)
━━ハワイ、タイでは、物件所有の目的が違うかと思いますが、どちらの国の不動産投資にメリットを感じられているでしょうか。

現状、国内不動産のキャッシュフローのみで十分な金額を生み出すことができるため、償却資産を購入して節税にも活用のできるハワイの方に魅力を感じています。

ある程度の不動産投資を行っていると、固定資産税の支払い額だけでも相当なものです。さらに頑張って売上を上げ利益を増やしていくと個人であれば所得税、法人であれば法人税が大きくかかってきます。もちろん、これを支払っても十分な資産を残せるように運用されている人がほとんどだと思いますが、やはり税金で相当額を引かれるのに抵抗のある人も多いでしょう。

そういったメンタル面での負担を軽減するという意味でも、海外不動産投資で節税を行うというのは大きな意味を持ちますよね。ただ、銀行からの評価を上げるには、納税額も大切です。納税額が上がることで銀行の評価も上がり融資金利が下がったりする場合もありますので、節税も行き過ぎに注意するなど、この辺りはバランス感覚が大事ですね。

私自身がハワイでリフレッシュしながら仕事ができる、そして節税にもなる。こういった複合的な魅力のあるハワイの不動産投資の方に現時点ではメリットを感じています。

━━それぞれの物件の出口戦略は、どのように考えられているのでしょうか。

ハワイを例にあげれば、目的は減価償却であるため、償却期間が終了すれば売却します。そして、ハワイに出かけていく限り、また新たに不動産を取得するということを続けていくでしょう。

タイに関しては、高く売れるのであれば随時売却するスタンスで購入しています。そのため、賃貸にだしつつ、常に売却活動を行なっています。

ただ、アジア圏では、そもそも大きな投資をしていないために、売却できなくてもあまり問題はありません。こちらは、現地に仕事と遊びをかねて行っている間は、そこまで真剣に売り抜けようと考えているわけではありません。

アジア圏の注目エリアはマレーシアのクアラルンプールとミャンマーのヤンゴン

マレーシア・クアラルンプール(写真=PIXTA)
マレーシア・クアラルンプール(写真=PIXTA)
━━アジア圏の新興国では、開発ラッシュが続いていることもあり、投資家の中には海外進出するならアジアと考えている人もいると思います。タイ以外で気になっているアジア圏の国やエリアはありますか。

マレーシアのクアラルンプールなどでしょうか。発展しているエリアと、未発展エリアが混在しており、ちょっと前のバンコクに近い様相を呈しています。そのため、今後の開発を予測して購入するという意味ではよい不動産を購入できる余地が大きいでしょう。

私がアジア圏での不動産投資で重視しているのは、インフラの整備計画です。そういった意味で、フィリピンのマニラなど、交通網の計画があまり進んでいない地域に関してはおすすめできません。

公共交通機関や自家用車の交通など、かなり滞っている部分があり、実質的な意味での利便性の高いエリアというのを見極めにくい。つまり、今後高くなるエリアを見分けづらいわけです。その点、クアラルンプールは比較的見極めやすいといえるでしょう。

ただ、クアラルンプールも2014年から外国人の購入金額の最低ラインが100万リンギット(約2700万円)と制限が高くなり、現地人への売却が難しくなるなど、投資に対する国の政策変更などにも注意が必要です。

そのほか、ミャンマーも日本法人が現地法人を設置するなど、ビジネスで徐々に人気が高まっています。私がここ数年で訪れた国の中でもタイに次ぎ回数が多い国です。

しかし、現在はまだ開発途上であり、不動産投資を行うほどマーケットが成熟していないと考えています。ただ、ちょっと前までは外国人への不動産購入が制限されていましたが、最近はコンドミニアム法も成立し、その細則も2018年の1月に発表され、外国人が不動産を買う門戸も開けてきました。20年後には活況になっているのではと予想していますので、早めに購入して、長い目で見ていくという意味ではおもしろいと思います。

収益性で日本と海外を比べると、日本が有利な面も

(写真=不動産投資家・ブロガーの赤井誠さん)
━━アジア以外では、注目されている国はありますか。

スイス、カナダ、少し遅いですがオーストラリアも注目しています。先述のように自分が住みたいか、ということを前提に考えた場合、治安のよさも投資を行うに足る国であるかの判断基準となります。

上記3国は、街並みもキレイで、エリアにもよりますが国全体で見たときに治安がいい。そして、「住みやすい」「私自身が旅行を兼ねて行きたい」「市場がオープンで外国人も不動産を買いやすい」など、私が重視している条件もクリアしている。

ただし、収益性については、いずれの国であっても、日本と比べるとどうしても低くなってしまいます。東京の物件価格は、ニューヨークやパリなどに比べれば半値ほどですし、金利も異常に安い。

アメリカで私が融資を受けている金利を例にすると5%です。日本では0.4%で借りていたりするので、10倍以上の差があります。そのため、融資を受けて購入するということを前提にすると、海外では収益を上げるのが難しくなるでしょう。

アジアでも、ローンを組むと7~8%ほどの金利になることがあります。収益性よりも、節税や訪れる楽しみを含めて考えないと、国内中心に投資をしている人には魅力を感じにくいかもしれません。

━━赤井さんのブログでは、実際に海外不動産でのトラブル対応をされている様子も拝見できます。国内に比べて、海外不動産では管理に手間がかかる面もあるのでしょうか。

物件を民泊で活用する場合、一般の住宅に比べてエアコンなどの設備の使用頻度が高まる傾向にあります。ご自身がホテルなどに滞在したときを考えてみてほしいのですが、エアコンや水道などを自宅にいるときよりも気軽に使用しますよね。

まして、国によって気温が高かったり、欧米人は日本人よりも平均体温が高かったりということもあり、物件の地域によってエアコンや給湯器などの使用頻度はさらに高くなります。そのため、設備のトラブルは多くなりがちです。

ほかにも償却を狙って海外不動産を購入すると、おおむね築年数の経過した中古物件を購入すると思いますが、こういった物件はリノベーションされていても、どこかに不具合がでます。これらの修繕を行うとき、海外では全作業が分業化されているので、1つの修繕に多くの人が関わります。例えば、日本であれば工務店1社に依頼すれば済むところ、海外では電気工事はA社、配管工事はB社、塗装はC社に依頼するといったようなイメージです。そのため、人件費なども日本に比べて多くかかります。

あと日本と違うところで言えば、集合住宅で上水道の関係で修繕を入れるとなると、物件によっては一戸だけの水道を止めることができずに、建物全体を止めなければいけないということも多いです。

このように、修繕を行う手間がとにかくかかるんですね。新築であっても、日本と比べると初期不良が見つかることも多いのではないでしょうか。私は、日本の施工のクオリティは世界一と感じています。日本の物件が基準であれば、海外の物件の手間は圧倒的に多いと言えます。

ただし、実際に対応するのは現地の管理会社で、見積もりだけ送られてくるというのがほとんどです。コストはかかりますが、現地とやりとりをするという手間を省けば、実作業という意味ではそんなにはかかりません。

英語のやりとりが前提なので、ある程度の語学力習得を

━━現地の管理会社とのやりとりが重要なのですね。この際、メールや電話などでのやりとりは、英語なのでしょうか。

そうです。英語で通知されます。私自身は、サラリーマンとして活動していた際に、特許や論文などの英語の文書を日常的に扱っていたため、英語のやりとりはあまり苦にしていません。ただ、英語がまったく読めないとなると、不都合が生じるシーンもあるかもしれませんね。

実際に英語で受け取る文書としては、現地の不動産の管理組合からの連絡や、税務関係の通知、国からの書類などです。もちろん、タイの物件であればタイ語で受け取ることもできますが、私の場合、タイ語は分からないので英語で通知してもらっています。

いずれの場合も、日本語で通知がくることはほとんどありません。そのため、海外進出をお考えなら、英語をある程度読めるようにしたほうがいいでしょう。話すことに関しても、ある程度は会話できないと不都合が生じることが多いため、私の場合はフィリピンの語学学校に短期留学しました。ただ、最近は優れた翻訳機能もあるのでずいぶん楽にはなったと思います。

基本的には、現地でやりとりを代行してくれる管理会社を配置して、分からない文書などが届いた際にスキャンして質問したりすれば大きな問題はないと思います。しかし、ある程度読める、話せるという環境を整えておくことに損はありません。

本日は、いろいろな視点から海外不動産投資についてお話させていただきました。英語や情報収集に手間がかかるという壁はありますが、海外旅行が好きで、ある程度の資産をお持ちの方には、節税効果を含めた魅力がたくさんあります。まずは、ご自身の目的を整理してみるところからはじめてみてはいかがでしょうか。

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