2018.11.4
相続・不動産

「相続対策の不動産投資」と「通常の不動産投資」。決定的な違いとは?

(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)
(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)
不動産投資は、相続対策に有効といわれます。しかし、同じ不動産投資でも、通常なら魅力的な物件なのに、相続対策には向いていないこともあり得ます。相続税対策を目的として不動産投資をする時のポイントについて解説していきます。

不動産には様々な種類の価格がありますが、本稿では主に、「時価(実勢価格)」、「相続税評価額」、「固定資産税評価額」という3つの異なる概念が出てきます。「時価(実勢価格)」とは、やや曖昧な概念ですが、一般的には実際に取引が成立した価格を指します。「相続税評価額」とは、相続税などを計算する際の基準となる価格を指します。「固定資産税評価額」とは、固定資産税を計算する際の基準となる価格を指します。以上の3つの概念の違いに注意しながら見ていきましょう。

相続対策で不動産投資をする時は「相続税評価額」が鍵となる

例えば、価格が同じ1億円で(A)利回りが10%の物件と(B)利回りが6%の物件があったとしましょう。年間の家賃収入で考えると、単純計算で(A)利回り10%の物件が1,000万円となるのに対し、(B)利回り6%の物件は600万円となります。そのため、通常は家賃収入が多い「利回り10%の物件」の方が好まれる傾向にあります。

もちろん、利回りは物件選びの目安のひとつでしかありませんが、それを踏まえても、通常の不動産投資では、利回りの高さに注目する投資家が多いのも事実です。しかし、相続対策で投資物件を購入する場合は、プラスアルファの視点が必要になります。

その視点とは、相続税評価額です。不動産投資が相続対策に有効と言われる理由は、同じ額の資産を相続するなら、現金よりも不動産の方が相続税評価額を抑えやすいからです。現金で相続するとそのままの金額が相続税評価額になりますが、不動産で相続すると相続税評価額を抑えることができます。

そのため、利回りの高さばかりだけでなく、相続税評価額という視点も加味しながら「相続向きの不動産」を選ぶことが重要になってきます。

時価と相続税評価額に開きがあるほど有利になる

相続対策の不動産投資では、時価と相続税評価額に開きがあるほど節税効果が大きくなります。同じ条件の時価1億円の物件なら6000万円よりも5000万円の相続税評価額の方が、同じ条件の時価1億円の物件に対する課税額が低くなるので、節税効果が大きくなります。

一方で、利回りが高い物件というのは、掘り出しモノやワケあり物件でない限り、「築古物件」や「地方の物件」が多い傾向があります。このような物件は、時価と相続税評価額の間の落差が小さいことが多いため、相続対策には向いていないと言えます。

一例として、地方の物件の時価と相続税評価額の落差が小さくなりがちな理由を考えてみましょう。時価計算の要素の一つとして、建築費の実費が挙げられます。建築において、材料費は地方も都会もあまり変わりませんが、人件費などは地方の方が割安になります。そのため都会と地方を比べてみると、地方の時価(建築費)が割安となります。

一方で、都会も田舎も建物の相続税評価額はあまり変わりません。その結果、地方の物件と都会の物件を比べてみると、時価と相続税評価額の落差が「地方<都会」になるというわけです。

このような背景があるため、得てして利回りが高い物件は相続対策に向いていないことが多いのです。

不動産自体に相続税の節税効果がある

ご参考までに、相続時の不動産評価方法を確認してみましょう。評価は、建物と土地に分けて行います。具体的には以下の通りです。

建物部分は、固定資産税評価額にもとづいて算出されます。構造などにもよりますが、建築当初の建築費用の50~60%程度になることが多いようです。また、土地部分は路線価方式もしくは倍率方式にもとづいて資産価値が計算されます。路線価方式では実際に要した取得費用の70~80%程度になるケースが一般的です。さらに、賃貸用物件は、相続税評価額が安くなります。

このように不動産は相続税評価額が低くなるため、時価と相続税評価額の間の落差にこだわりすぎなくても相続対策になります。落差が大きければ、さらに節税効果が高まるというわけです。

相続対策のための不動産投資は専門家が必須

相続対策のための不動産選びは、初心者には難易度が高いと言えます。通常の不動産投資では「その物件を買えばいくら儲かるか」をチェックすればよいのに対し、相続対策では評価額も気にしなければならないからです。不動産の相続評価には特例などもありますが、要件が細かく設定されています。そのため、不動産の相続を知り尽くした税理士や不動産会社のコンサルタントに相談するなど、専門家の知恵を借りるのが得策です。

これらのような専門家は、相談会やセミナーを企画していることも多いため、まずはそのような場に参加して相性のよい専門家との出会いを求めましょう。

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