2018.11.7
相続・不動産

不動産を相続したらどのように行動するべき?

(写真=beeboys/Shutterstock.com)
(写真=beeboys/Shutterstock.com)
財産の中でも、不動産は相続手続きが難しいと言われています。その理由は、不動産は評価額が大きいことが多く、また手続き自体が煩雑だからです。とはいえ、相続を終わらせなければ安心して住み続けたり、売却や担保設定ができなくなったりするなどの不都合が出てきます。そうならないよう、不動産を相続する際の流れを抑えておきましょう。

ステップ1:遺言書の確認

不動産を相続する場合には、次の3つのステップを踏む必要があります。それぞれを詳しく見ていきましょう。
  1. 遺言書の確認
  2. 遺産分割協議
  3. 相続登記
相続が発生した際にはまず遺言書があるかどうかを確認します。なぜなら、相続においては遺言書の内容が重視されるからです(ただし、相続人の最低限の権利を守る遺留分あり)。後から遺言書が見つかると、それまで決めた分割割合などが無効になる可能性があります。

不動産の相続について遺言があった場合は、原則それに基づいて相続の手続きを進めていきます。一方、相続人に伝えないまま遺言書を作成している場合もあるので注意が必要です。

一般的に採用されている遺言書には、「自筆証書遺言」や「公正証書遺言」などがあります。自筆証書遺言とは、被相続人が自ら書いた遺言書のことで、見つけた場合には封を開けずに家庭裁判所に持ち込んで中身を確認します。もうひとつの公正証書遺言とは、証人2名立会いの下、公証人が口述筆記で作成した遺言書のことで、公証役場で遺言を預かっています。被相続人が公正証書遺言を作成しているかは、全国の公証役場の情報を一元化したデータベースで確認できます。

被相続人が作成した遺言書があっても、相続人全員で話し合って合意するなら相続内容を変更しても問題ありません。また、遺言書がない場合にも相続した不動産をどのように扱うかについて話し合う必要があるため、調整期間がある程度かかるものと思っておいた方がよいでしょう。

ステップ2:遺産分割協議

法的に有効な遺言書が存在しない場合は、相続人全員による話し合いによって、「誰が、どの財産を、どれくらい相続するか」を決めていきます。これが遺産分割協議です。相続財産は、分けやすい性格のものと、分けにくい性格のものに大別されます。土地や建物など形があり、さらに評価額が大きくなることの多い不動産は「分けにくい財産」の一例です。代表して誰かが相続するのか、現金にして分けるのかなどを話し合う必要があります。ちなみに、遺産分割協議がスムーズに進まない場合は、不動産を保全するために一時的に相続人全員の共有名義で登記し、その後、まとまった時に改めて登記する方法も採用されています。

遺産相続協議は話し合って終わりというわけではなく、話し合った内容を遺産分割協議書に記しておかなくてはなりません。この書類は、遺産分割協議に基づく相続登記申請の際に必要になるため、記載の不備や実印の押し忘れなどに注意しましょう。

ステップ3.相続登記

最後に相続登記を行います。これは義務ではありませんが、登記簿上の所有者を移転しておかないと、その相続の対象相続人の権利関係が複雑になっていきます。それにより、後で担保設定したい時や売却したい時に極めて煩雑な手続きになる可能性があります。

不動産の登記手続きは、対象の不動産が存在するエリアを管轄する登記所(法務局)で実施します。同じ登記申請書を2通作成し、1通は申請人、1通は登記所が保管します。登記申請書の様式は下記の法務局サイトで紹介されています。
※法務局「不動産登記の申請様式について」

登記申請書の審査期間はその登記所や時期によって異なりますが、数日程度で済むことが多いようです。なお、登記申請時には、登録免許税がかかります。税額は、相続人であれば固定資産税評価額の1000分の4の設定になっています。登記申請時には申請書の他に下記の添付書類も必要になります(遺産分割協議の場合)。

【登記申請時に必要になる添付書類】
(ア) 相続が発生したこと及び相続人を特定するための証明書
具体的には,被相続人(死亡した方)の出生から死亡までの戸籍謄本,除籍謄本等のほか,相続人となる方々の現在の戸籍謄本が必要となります。
また,遺産分割協議書の添付が必要となります。遺産分割協議書には,申請人以外の他の相続人の印鑑証明書(作成後3か月以内のものであることを要しません。)が必要となります。
(イ) 相続人全員の住民票の写し
(ウ) 委任状(代理人が申請する場合)
※名古屋法務局「遺産分割協議によって相続した場合」より引用

これらの書類を揃えた上で管轄の法務局に申請しますが、近くに法務局がない場合は郵送で申請できるほか、オンライン申請という選択肢もあります。相続登記を円滑に進めたい場合は、身近な行政書士や司法書士などの専門家に相談することもひとつの選択肢といえるでしょう。

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