2018.12.3
相続・不動産

不動産賃貸経営でかかる税金にはどのようなものがあるの?

(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)
(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)
不動産賃貸経営では家賃収入が期待できますが、一方でランニングコストもかかるため、家賃収入のすべてが手に入るわけではありません。特に、税金は家賃収入に課されるものや不動産を所有しているだけで課されるものなど複数あるため、事前に理解しておくと良いでしょう。本稿では、不動産の賃貸経営でどんな税金がかかるのかについて整理します。

不動産の取得時にかかる税金は?

不動産賃貸経営を行うには、まず不動産を取得する必要があります。不動産を取得するにあたって発生する税金は主に以下の3つです。
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 不動産取得税
これらの税金には、期間限定で軽減措置があります。その点に注意しながらそれぞれの税率を確認していきましょう。

印紙税

印紙税とは、印紙税法に定められた課税文書を作成する際に課される税金です。不動産を取得する場合については、不動産売買契約書、建物工事の請負契約書などに印紙税が課されます。不動産売買契約書に課される印紙税の金額は以下の通りです。

1,000万円を超え5,000万円以下のもの:2万円(1万円)
5,000万円を超え1億円以下のもの:6万円(3万円)
1憶円を超え5億円以下のもの:10万円(6万円)

なお平成32年(2020年)3月31日までの間に作成されるものに関しては税率が軽減され、カッコ内の金額が適用になります。

※売主・買主双方が契約書を保持し、各々印紙を貼付するのが一般的です。

登録免許税

登録免許税とは、不動産の所有権が売主から買主に移転したことを登記する際などに課される税金です。売買による所有権移転登記については、原則として土地の部分は価格の2%(平成31年3月31日までに登記を受けるものは1.5%)、建物の部分には価格の2%の登録免許税が発生します。

不動産取得税

不動産取得税とは、土地や家を購入したり、家を改築した時など、不動産を取得した際に課される税金です。不動産の価格(固定資産評価額)の4%(ただし、平成33年3月31日までに取得された土地・住宅は3%、住宅以外の家屋は4%)が課税されます。

詳細についてはこちらの国税庁HPをご覧ください。

不動産の維持管理にかかる税金は?

不動産の維持管理を行うにあたって発生する税金は主に以下の3つです。
  • 固定資産税
  • 所得税、住民税
  • 都市計画税
これらは毎年発生する税金ですので、経営計画にしっかり組み込んで精査するのが望ましいでしょう。

固定資産税

固定資産税とは、毎年1月1日時点の固定資産(土地、家屋及び償却資産)の所有者に対し、その固定資産の価格をもとに算定される税額が課される税金です。税額は、基本的に固定資産税評価額×1.4%となっています。

都市計画税

都市計画税とは、毎年1月1日時点で土地や家屋などを都市計画区域内(原則として、その中の市街化区域内)に所有している場合のみ課される税金です。税額は、固定資産税評価額×0.3%となっていますが、0.3%を上限として市町村が自由に税率を決定できるため、不動産が所在する市町村に確認することをおすすめします。

所得税、住民税

家賃収入に対して、所得税と住民税が課税されます。住民税率は10%ですが、所得税は他の所得との合計がいくらになるかによって異なります。たとえば、所得合計が500万円(330万円を超え695万円以下の範囲内)の場合は20%、1,000万円(900万円を超え1800万円以下)の場合は33%と税率が高くなるので注意が必要です。

不動産の売却時にかかる税金は?

不動産の売却するにあたって発生する税金は以下の3つです。
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 所得税、住民税

印紙税と登録免許税

印紙税は不動産取得時にかかる税金でも登場しました。物件価格によって額が変わってきます。不動産売却時に抵当権抹消登記をする場合などには、登録免許税も課されます。買主と売主で折半するのが原則であるものの、慣行上は買主が負担するのが一般的であるため、売主が負担することは少ないようです。

所得税と住民税

所得税と住民税は不動産の維持管理にかかる税金でも登場しましたが、今回は譲渡所得に対して課される税金です。譲渡所得があるかどうかを調べる計算式は以下の通りです。

・譲渡価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除額(一定の場合)=課税譲渡所得金額

土地や建物を売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えている場合は長期譲渡所得として所得税15%、住民税5%が課され、超えていない場合は短期譲渡所得として所得税30%、住民税9%が利益を出している場合に課されます。

なお、申告時には所得税に加えて、基準所得税額の2.1%で算出した「復興特別所得税」も課せられます。

固定資産税や都市計画税は、空室時も税金が発生する

ここで紹介した税金を把握しないまま不動産経営を行うとリスクがあります。たとえば、購入時には、物件価格に税金が加算されることによって総額が大きくなり、資金不足に陥ってしまう可能性があります。あるいは、維持管理では、家賃収入の有無に関係なく固定資産税や都市計画税が課される点に注意が必要です。

もう一点、覚えておきたいのは「事業税」の存在です。事業税という名称から法人が払う税金という印象もあるかもしれませんが、個人事業主も所有部屋数など経営規模によって事業税がかかります。各都道府県で部屋数や棟数の規定があるため、事前にチェックしておきましょう。

たとえば、東京都でマンション経営をした場合、室数10以上で年間所得が一定額を超えてくると、個人事業税が発生します。詳細は東京都主税局WEBサイトで確認できます。

不動産経営は、「安定した家賃収入が期待できる」「相続対策になる」というプラスの側面もありますが、税金を熟知した上で始めた方がより安定した経営が可能になります。

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