2019.1.17
相続・不動産

子や孫が住宅購入。資金援助を頼まれた時に知っておきたい贈与税のポイント

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
子や孫へのマイホームの資金援助をきっかけに相続対策を本格化する方も多いでしょう。とはいえ、住宅資金の贈与の基本を知らないまま支援してしまうと、「予想外の贈与税や相続税」が後々発生する可能性もあります。税金を抑えながら賢くマイホームの資金援助する方法を分かりやすくお伝えします。

「マイホームの資金援助」に欠かせない3ポイントとは?

次に挙げる3ポイントを意識しながらマイホームの資金援助をすれば、子や孫への効率的なバックアップが可能になります。

・ポイント1:「贈与税の非課税枠」の活用
・ポイント2:「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」特例(以下、「非課税の特例」といいます。)の活用
・ポイント3:「非課税の特例」+「省エネ等住宅」の選択

端的にいえば、「贈与税の非課税枠」の活用と「非課税の特例」の活用の組み合わせが、賢い贈与の考え方です。それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

ポイント1:「贈与税の非課税枠」の活用

贈与税には、非課税枠があります。マイホームの資金援助に限らず、これをどう活用するかが相続対策の鍵となります。「贈与税の非課税枠」には、「基礎控除(暦年課税制度における非課税枠)」と「特別控除(相続時精算課税制度における非課税枠)」の2種類があり、非課税になる金額や計算方法などが違います。

「基礎控除」は、暦年課税制度を選択した場合の非課税枠であり、贈与を受けた人1人あたり年間110万円の基礎控除額までは贈与税が非課税になります。「一定の場合を除いて」、贈与した額が「相続税の」計算に加算されないメリットがあります。

一方の「特別控除」は、相続時精算課税制度を選択した場合の非課税枠であり、「累計」2,500万円の特別控除額までは、非課税で贈与できます。例えば、子が(1)2018年に父から2,000万円(2)2018年に母から3,000万円(3)2019年に父からさらに1,000万円の贈与を受けた場合、父からの贈与の累計3,000万円の贈与のうち2,500万円と、母からの贈与の3,000万円のうち2500万円分の合計5,000万円分が非課税になります。

ただし、相続時精算課税制度を利用して贈与した場合、相続発生時に特別控除によって非課税になった分まで相続税の課税対象になる(上記の例でいうと、非課税になった5,000万円分までもが相続税の対象になる)ので注意が必要です。

ポイント2:「非課税の特例」の活用

子や孫の住宅資金の援助をする時にぜひ活用したいのが、「非課税の特例」です。これは、前項で紹介した「贈与税の非課税枠」の活用と組み合わせて利用できる点が大きいです。

非課税限度額がどれくらいかは、
(1)新築等する住宅用の家屋の種類
(2)契約時期
によって変わってきます。

一例を挙げると、
1.「省エネ等住宅」以外の住宅
2.契約時期が平成28年(2016年)1月1日~平成32年(2020年)3月31日、かつ消費税が8%の場合、700万円が非課税限度額となります。

1.「省エネ等住宅」以外の住宅
2.契約時期が平成31年(2019年)4月1日~平成32年(2020年)3月31日で、かつ消費税が10%の場合
2,500万円が非課税限度額となっています。

この制度は、まとまった額が非課税で贈与できるため、子や孫に住宅援助をする時にはぜひ利用したい仕組みですが、細かい要件がネックになりやすいです。せっかくですので、これをクリアして、ぜひ使いたいところです。懇意にしている税理士や不動産会社のコンサルタントに相談するのも一案です。

要件の一例をご紹介すると、下記のようなものがあります。

まず、贈与を受ける側の要件として、贈与される側のその年の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下であること、贈与を受けた年の翌年3月15日までに自分で居住用として使用すること(又は同日後遅滞なく使用することが確実であると見込まれること)などが要求されます。

次に、対象となるのは、贈与を受ける方がご自身で住むための登記簿上の床面積が50平米以上かつ240平米以下の新築住宅・中古住宅、100万円以上の増改築の費用などに限られます。ただし、中古住宅は築20年以内が対象です(耐火建築の場合は築25年以内)。

「非課税の特例」の詳細については、こちらの国税庁公式サイトでも確認できます。
>>国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

ポイント3:「非課税の特例」+「省エネ等住宅」の選択

「非課税の特例」は、家屋のカテゴリが「省エネ等住宅」だと、さらに非課税限度額が広がります。「省エネ等住宅」とは、簡単にいうと、火災に強かったり、地震に強かったり、バリアフリー対策が講じてあったりする住宅を指します。

以下のいずれかの基準を満たせば、非課税限度額を広げることができます。

・断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級4以上の住宅
・耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上又は免震建築物の住宅
・高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上の住宅 

「省エネ住宅」にすることで相続対策になることに加えて、子や孫が快適で安全性の高い住宅に住める、というメリットもあるのでぜひ取り入れたいところです。

ここで解説してきた通り、「贈与税の非課税枠」をうまく使うことで贈与税を抑えながら子や孫世代へ住宅取得の資金援助ができます。ただし、「非課税の特例」は、住宅そのものの贈与は特例の対象外になるので注意が必要です。

>>不動産運用・相続についてさらに詳しく知りたい方はこちら
 

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