2019.3.27
相続・不動産

相続税の税務調査がやってくる確率は約15%。贈与の申告漏れを防ぐ「贈与契約書」

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
富裕層や法人などにとって税務調査は震える存在かもしれません。税務調査とは、申告内容が正しいかをチェックし、不備や未申告だった場合に是正を求めるものです。今回は、「どれくらいの割合でやってくるか」「いつごろやってきて何を調べるか」について解説します。また、生前贈与の不備を指摘されないための贈与契約書のポイントも紹介します。

相続の税務調査はどれくらい実施されている?違反割合は?

まず、相続税の発生数についてですが、国税庁によれば平成29年に亡くなられた方(被相続人)は約134万人、そのうち相続税の課税対象となった被相続人は約11万2,000人、課税割合は約8%です。また、税額ありの被相続人は約8万人となっています。さらに、平成29年(事務年度)の相続税調査は1万2,576件です。

税額ありの被相続人が約8万人なので、約15%の人に税務調査が行われていることになります。さらに、税務調査が行われた1万2,576件のうち1万521件(83.7%)が申告漏れなどの違反に該当しています。データで見る限り調査に入られたら、かなりの高確率で追徴課税などが発生すると覚悟するしかありません。

相続税の税務調査はいつ頃やってきて何を調べる?

では、相続税の税務調査に入られやすいのは、どのような方なのでしょうか?明確な指針はないものの、一般的に「遺産総額が大きい」「被相続人の収入が多いにも関わらず相続税が少ない」などの場合は、税務調査の対象になりやすいといわれます。税務調査は、被相続人が亡くなって相続税を納付した後すぐに行われるわけではありません。

三回忌が済んだころが1つの目安といわれており、申告書を提出してから1年から1年半後に行われるのが通例のようです。税務調査の日程は、税務署に指定された日となるのが一般的ですが、どうしても仕事の都合などで対応が難しい場合は、常識の範囲内で日程調整を行うこともできます。調査日に調べられるのは、銀行預金や株式などの金融資産、生命保険、貴金属や骨とう品、不動産などです。

単なる申告漏れでも、延滞税や加算税が課されることになるため、漏れが生じないようにリスクを減らすための対策が重要になるといえるでしょう。

申告漏れのリスクを減らす「贈与契約書」という防衛ツール

相続税の税務調査で申告漏れとして指摘されやすいのが、贈与の現金のやり取りです。贈与には、年間110万円の基礎控除があります。(暦年課税の場合)この基礎控除を利用することによって相続税を抑えることができますが、贈与は「贈る側」と「受け取る側」がそれぞれ合意することで成立する一種の契約です。

贈与契約があったことを客観的に証明することで、贈与があったと承認できます。この点で不備があると税務調査で課税される可能性があるので要注意です。あわせて子や孫が贈与のあったことを認識していないと基礎控除が適用されません。そこで、贈与の申告漏れリスクを減らす目的で用いられるのが「贈与契約書」です。

とくに決まった形式はなく、パソコンで作成しても問題ありませんが、日付・住所・氏名に関しては本人の自筆のほうが信ぴょう性としては高まるため良いでしょう。贈与契約書に記載する内容には、次の5項目が必須です。

・誰が(贈与者)
・誰に(受贈者)
・いつ(贈与時期)
・何を(財産内容)
・どうやって(贈与方法)

また、贈与契約書は一部ではなく2部作成し、贈与者と受贈者で一部ずつ保管していると贈与者と受贈者との間で贈与があったと認められやすくなるでしょう。もし、贈与を行っていたにも関わらず、贈与契約書を作成していなかった場合も諦めてはいけません。「贈与自体は確実に成立していたものの、贈与契約書をつくっていなかったこと」を証明する「贈与確認書」を作成することで一定の効果があると考えられます。

あくまでも贈与確認書を認めるかどうかは、税務署にかかっています。やはり、しっかりした内容の贈与契約書を作成しておくのが最善です。インターネット上には贈与契約書のさまざまなフォーマットが掲載されています。一例として、下記の千葉銀行の贈与契約書をご参照ください。

・千葉銀行「贈与契約書フォーマット

また、当たり前ですが贈与契約書を作成するだけでなく、贈与財産を受贈者に渡す必要があります。お金の贈与であれば、銀行振込など、贈与の証拠が残るかたちで引き渡しを行いましょう。

お互いに贈与内容を認識しておくことも大切

ここでは、意外に高い確率でやってくる相続税の税務調査の実態、そして、その時に申告漏れを防ぐ「贈与契約書」のポイントについて解説してきました。契約書を作成するだけでなく、贈与する側と、贈与される側が贈与の内容をお互いに認識しておくことも大切です。行き違いがないよう、たとえば数年おきなど定期的に贈与内容について話し合う場を設けるのも一案です。

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