2020.2.19
相続・不動産

海外資産の税金逃れを徹底マークする国税庁!2020年税制改正でどうなる

(画像=Dilok Klaisataporn/Shutterstock.com)
(画像=Dilok Klaisataporn/Shutterstock.com)
国税当局は、海外資産の監視を強める方策を次々に打ち出しています。加えて2018年度は海外資産に関する申告漏れが明るみになるケースが増加傾向です。さらに2020年度税制改正では「海外資産の取引記録保管」も求められます。厳しいペナルティーがあるこの制度も富裕層の方々は注意が必要です。これら「海外資産の監視」にかかわる最近の動向を見ていきましょう。

海外資産の申告漏れ件数が増加 国外財産調書の不提出で初の摘発も

はじめに、海外資産に対する国税当局の厳しい姿勢を示すデータを見てみましょう。2019年12月に国税庁が発表した「相続税の税務調査の結果(2018事務年度分)」によると、海外資産関連で行われた税務調査は1,202件で、このうち144件で申告漏れが発覚しました。前年の申告漏れ件数134件から約7.4%増加しています。

加えて2019年7月には、5,000万円超の海外資産を保有する個人に義務づける「国外財産調書」を提出しなかったとして大阪国税局が京都市の男性を摘発。「国外財産調書」の不提出では初の摘発のため主要メディアで大きく報じられました。

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2020年度税制改正により「海外資産の取引記録の保管」も要請

2020年度税制改正には、海外資産の取引記録の保管も盛り込まれます。これまでの国外財産調書の提出制度では、財産状況を年1回の報告をすれば済みました。しかし2020年分以降の所得税、2020年4月以降に発生する相続税については、海外資産の取引記録の保管も求められることになります。具体的には、海外預金の入出金や海外不動産の賃貸借など記録の保管が要請されることになりそうです。

この海外資産の取引記録の保管は表向き「義務ではない」とされています。しかし申告漏れを指摘されたときに保管記録を提出できれば追加課税額が下がり、逆に提出できなければ追加課税額が上がる(※)という厳しいペナルティーを考えると、「義務」に近い仕組みといえます。

※一例:保管記録の未提出の場合 追加課税20%

「国外財産調書」とは?5,000万円超の海外資産保有者が対象

上記でも出てきた、海外資産と税金というテーマでは欠かせない「国外財産調書」とはどのようなものなのでしょうか。改めてその内容を見てみましょう。

国外財産とは、国外にある不動産・預金・有価証券などを指します。この国外財産の把握と適正な課税を目的として2014年1月からスタートしたのが「国外財産調書の提出制度」です。

国税庁の資料によると、2017年分では9,551件(3兆6,662億円)の国外財産調書が提出されました。なお国外財産調書には、以下の内容が記載されます。

・申告者の基本情報(氏名・住所・マイナンバー)
・財産の種類・数量・価額・所在(国名)など

ちなみに国外財産調書を提出しなければならないのは、「その年度の12月31日時点で5,000万円超の海外資産を持っている人(日本の居住者)」です。また財産評価の方法は12月31日時点の時価(またはそれに準ずる見積価額)をもとに行われます。

ここで注意したいのは、国外財産か否かの判定が個別に行われる点です。不安がある人は、顧問税理士や管轄の税務署などへ事前に問い合わせるのがよいでしょう。ある程度の内容であれば国税庁作成の下記資料で確認できます。

・国税庁「国外財産調書の提出制度(FAQ)

海外口座の情報を得るCRSなども富裕層の脅威になる

このほかに、2018年秋からは海外の税務当局と連携し金融口座の情報を交換する制度(CRS)も始動しています。また今後の税制改正により、海外不動産の減価償却費による損益通算で所得税節税をするスキームも封じられます。

このように2020年度の税制改正で、富裕層所有の海外資産に対する国税当局の厳しい態度は鮮明です。海外資産を所有する富裕層の方々は早めの対策を立てることが重要です。
また、海外資産にかかわらず2018年事務年度分の富裕層の申告漏れ件数も過去最多を記録しています。これまで以上に税金の情報収集と万全の対策を心がけましょう。

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