2020.2.26
相続・不動産

地価高騰リゾート、第2のニセコを探せ|キーワードは好調インバウンド

(画像=gorillaimages/Shutterstock.com)
(画像=gorillaimages/Shutterstock.com)
訪日外国人観光客、いわゆる「インバウンド」数好調エリアの地価上昇が顕著です。それだけに、不動産投資家にとってはインバウンドの動向は気になるところでしょう。

最近は大都市だけでなく、リゾート地でもインバウンドの影響で地価が高騰するところが増えています。その代表が、地価上昇率全国トップのニセコです。本稿ではニセコに続いてブレイクする可能性があるリゾート地を考えてみましょう。

第2のニセコのポテンシャルを持つ4つのリゾート地候補

第2のニセコ候補として、インバウンド獲得が好調な富良野(北海道)やHAKUBA VALLEY(長野県)、蔵王温泉(山形県)、那覇(沖縄県)などが考えられます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

富良野(北海道)

最近「第2のニセコ」とメディアで紹介されることの多いエリアの筆頭は、同じ北海道の富良野です。

2019年9月20日付の日本経済新聞は、富良野の旅館やペンションを取得する海外資本が目立つことを報じ、「第2のニセコとして期待が高まっている」と踏み込んだ表現をしています。また2018年12月23日付の月刊北海道経済は、富良野スキー場周辺で中国人が土地を買い漁る様子を現地取材し、この動きが加速していることに触れています。

しかし、2019年9月発表の基準地価で富良野の住宅地価を見ると、前年比平均2.3%の上昇に留まっており、ニセコ周辺(倶知安町・樺山地区)の住宅地価の平均上昇率54.7%に遠く及びません。今後さらなる外国人による投資で、不動産価格が上昇するというニセコのパターンが再現されるかどうかが注目されます。

HAKUBA VALLEY(長野県)

3000m級の北アルプスの麓に広がるHAKUBA VALLEY(長野県)も、第2のニセコ候補といわれています。

HAKUBA VALLEYは大町市・白馬村・小谷村にある10のスキー場で構成される日本最大級のスノーリゾートで、長野冬季五輪の会場としても知られています。2018年~2019年のウィンターシーズンには、37万人の訪日外国人が来場し、過去6年間で年平均25%増加しています。

白馬村・和田野地区の宿泊施設の6割超がすでに海外資本(2018年4月時点)であり、不動産売買の活況ぶりが伺えます。今後のHAKUBA VALLEYはオールシーズン楽しめるマウンテンリゾートを目指しており、大きな可能性を秘めています。

村山エリア(山形県)

現段階で人気に火はついていないものの、訪日外国人が着実に増加しているという点では、山形県内陸部の村山エリアも可能性を秘めています。村山エリアに属する自治体は、山形市や上山市、天童市などです。

特筆すべきは、村山エリア内にある山形空港の訪日客の増加率です。2019年12月22日付の日本経済新聞の独自データによると、山形空港に降り立つ訪日客は2008年の2人から2018年の6,550人まで急増しています。

村山エリアの中で第2のニセコになりうるリゾート地は、蔵王温泉スキー場です。上質なパウダースノーと豊富な湯量の温泉で知られ、樹氷鑑賞という楽しみ方もあります。

しかし、このような魅力があるにも関わらず、現段階では訪日外国人の来場数は微減・微増を繰り返しています。ただし、近年はインバウンドを意識した長期滞在型ホテルが誕生するなど、新たな展開を見せており、今後の活況が期待されます。

読谷村、那覇市など(沖縄県)

日本のリゾート地は、スノーリゾートだけではありません。マリンリゾートも第2のニセコになる可能性を秘めています。

沖縄県は、全国トップの地価上昇率を誇っています(表参照)。沖縄県の地価は、住宅地・商業地ともに平成26年から強い右肩上がりのトレンドを示しており、沖縄県の中からさらなる集中投資が進むエリアが生まれる可能性は十分あります。

圏域等別平均変動率(単位:%)
圏域等 平成30年 令和元年
全国平均 △ 0.3 △ 0.1
三大都市圏 0.7 0.9
地方圏 △0.8 △ 0.5
沖縄県 4.0 6.3
(出所)沖縄県「令和元年 沖縄県地価調査結果の概要」

沖縄県内では、現在“離島”がリゾート用地として注目されています。現地メディアの琉球新報は、「宮古、八重山は観光客の増加で山林原野だった土地がリゾート用地に変わり、住宅や商業施設の需要も高まっている」との専門家コメントを交えて紹介しています。

離島が注目される一方で、本島の利便性の高いエリアの地価が高くなっていることも見逃せません。

住宅地の平均地価変動率ベスト5 (単位%)
順位・市町村名 平成30年 令和元年
1位・読谷村 6.5 17.9
2位・那覇市 9.3 14.8
3位・宜野湾市 9.2 14.4
4位・浦添市 7.4 11.9
5位・北谷町 10.8 11.4
(出所)沖縄県「令和元年 沖縄県地価調査結果の概要」

ちなみに商業地の平均地価変動率ベスト5は、那覇市、読谷村、浦添市、八重瀬町、北谷町となっています。

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第2のニセコを探す2つのポイント「海外資本の積極投資」と「海外からの直行便がある空港」

紹介したリゾート地は一例であり、第2のニセコになるポテンシャルのあるエリアは他にもあります。リサーチする際のポイントを見ていきましょう。

海外資本の積極投資

海外資本が投入されることで、施設が建設されたり、新たな渡航ルートが設けられたりすることで訪日外国人が急増する。これが、最近のリゾート地の典型的な成功パターンです。

ニセコ自体も、海外資本の集中投下によって再生を果たしました。「ニセコビレッジ」はマレーシア資本、「ニセコHANAZONOリゾート」はオーストラリア資本です。また新たな宿泊施設でも、リッツ・カールトンやパークハイアットなどの海外資本が存在感を放っています。

この他、国土交通省・観光庁のレポートでは海外資本が入って活性化したケースとして、中国資本が入った「星野リゾートトマム(北海道)」や、韓国資本が入った「ロッテアライリゾート(新潟県)」、アジア系投資会社が買収した「安比高原」などを挙げています。

海外からの直行便がある空港

海外からの直行便がある地方空港に近いリゾート地は、インバウンドにおいて優位です。これまで訪日外国人が入国時に利用する空港は、成田や関西など主要6空港が大半でしたが、最近は地方空港を利用するケースが増えています。日本経済新聞の独自集計では、2018年に地方空港から入国した訪日外国人は758万人(前年比11.7%増)。これは、入国者全体の約4分の1に及びます。

ニセコでさえ海外のスキーリゾートと比べると割安とのデータも

最後に、地方のリゾート地の動向を考える上で参考になるデータをチェックしておきましょう。2019年5月に発表されたCBREのレポートによると、海外投資家による2018年の不動産投資額は前年比6割減でした。それにも関わらず地方への投資は拡大し、前年比108%で推移しています。「大都市には消極的、地方には積極的」という海外投資家のスタンスは鮮明で、これはリゾート地にとってはプラス材料といえます。

またイギリス・サヴィルズの調査によると、高騰したと言われるニセコの地価は、海外の有名スキーリゾート地と比較するとまだまだ割安です。2019年10月段階のニセコの住宅価格は、世界では31位に留まります。ニセコですら割安ということは、他の人気リゾート地は海外投資家の目にはかなり魅力的に映っているはずです。

とはいえ、日本経済はバブル崩壊後にリゾート地の不動産価格の暴落を経験しています。この苦い記憶と人気リゾート地への追い風の間でどう判断するか。海外投資家だけでなく、経験豊富な日本の不動産投資家の動向が今後も注目されます。

※本稿は、不動産市場の傾向をお伝えすることを目的としており、リゾート地への投資を推奨するものではありません。

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