2019.3.6
ライフスタイル

箱根や別府など日本の温泉地が外資系ホテル進出で変わる!その中で国内投資家ができる活動とは?

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
日本の温泉地への外資系ホテルの進出が顕著です。これは、海外の富裕層の間で「日本の温泉=アジアのリゾート」といったイメージが定着してきたことの現れでしょう。ここでは、主な外資系ホテルや宿泊客数の推移などをもとに、今後の温泉市場の可能性を考えます。あわせて、この変化の中で個人投資家ができることや、温泉地への投資についても考察します。

外資系ホテルの温泉地進出で覇権争いが激化

はじめに、主な外資系ホテルの温泉地に対する進出状況を見てみましょう。

インターコンチネンタルが箱根や別府に進出

世界初の国際ホテルブランドとして知られるインターコンチネンタル ホテルズ&リゾーツは、2019年に日本初進出ブランドとなる「ホテルインディゴ箱根・強羅」をオープンの予定。全室温泉風呂付の約100室で展開します。また、同年には「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」をオープン予定で、こちらは4階建ての低層で客室数を89に抑えてぜいたくな造りとなるようです。

ハイアットは先行して箱根進出

箱根に先行して進出しているのが、「ハイアットリージェンシー箱根リゾート&スパ」です。木材を多用した空間デザインを特徴とし、客室は最低でも56平方メートル以上と、都会型のホテルよりも広い客室でゆったりくつろげるように工夫されています。もう一つ、このホテル最大の売りは広々としたラウンジ「リビングルーム」で、暖炉まで備えた海外リゾートを思わせるような非日常的空間を演出しています。

軽井沢などの各温泉地に定着しているマリオット

代表的な避暑地である軽井沢に進出した「軽井沢マリオットホテル」は、愛犬と一緒に泊まれる客室、温泉付きの客室など3タイプの142室を用意。マリオットは、すでに修善寺、山中湖、琵琶湖、南紀白浜の温泉地・避暑地に展開していることから、外資系温泉地ホテルとしては先駆け的な存在といえます。

国内の温泉市場を個人客とインバウンドがけん引

温泉地への外資系ホテルの進出の流れは今後も強まるのでしょうか?これを確認するため、「国内温泉市場の現況」と「インバウンドの状況」を確認します。

旅行のスタイルは団体客が減少、個人客は増加

まず、温泉市場ですが、環境省の「温泉利用状況」の調査によると国内の温泉旅行宿泊客数はピークだった1992年の約1億4,324万人から、2011年に約1億2,000万人まで減少しました。その後は上昇に転じ、2015年には約1億3,206万人と盛り返してきています。ただし、旅行の中身は大きく変化しており、特に団体客の減少と個人客の増加で、両者間の乖離が大きくなっています。

これは、企業の財政弱体化や価値観の変化により会社の慰安旅行が減少している半面、個人同士のグループ旅行や家族旅行が増えているのが原因です。

外国人旅行客の約30%は「温泉入浴」に期待

外国人旅行客によるインバウンド客数が増えていることも、一定数の増加要因になっているでしょう。観光庁が2018年に発表した「訪日外国人の消費動向」の調査によれば、外国人旅行客が「訪日前に期待していたこと」で約30%が温泉入浴を挙げています。団体客の減少によって温泉地は近年、衰退傾向にありましたが、以上のデータから日本の温泉市場の伸びしろは、まだまだあると考えてよいでしょう。

インバウンド集客で大成功する温泉地が出てきている

インバウンドが好調な城崎温泉(写真=PIXTA)
インバウンドが好調な城崎温泉(写真=PIXTA)
続いて、温泉地の宿泊者数の鍵を握っているインバウンド客の動向について見てみましょう。

別府温泉では2017年にインバウンド客が42%の大幅増加

インバウンド効果を享受している例として、インターコンチネンタルが進出を決めた別府温泉は、国内客の減少をインバウンド客がそのまま埋めている状況です。別府市観光戦略部観光課の「別府市観光動態要覧」によると、熊本地震が発生した2016年、日本人宿泊客は2015年の約221万人から約200万人と9.3%減少しましたが、外国人宿泊客は約34万人で前年とほぼ同じ客数となりました。

さらに、翌2017年は日本人宿泊客が約206万人と2.5%の増加率だったのに対し、外国人宿泊客は約49万人で42.8%の大幅増となっています。

城崎温泉では近年5年でインバウンド客が約36倍に

インバウンドが好調だった地域に城崎温泉があります。2013~2017年の5年でインバウンド客が実に約36倍まで増えています。その人気の秘密はどこにあるのでしょうか。1つには、有名温泉地にあるような大型のホテルがあまりなく、小規模な宿泊施設が多いため、部屋数が少なく行き届いたサービスを提供できることが挙げられます。

団体客を受け入れにくい点を逆手に取って、個人客に狙いを定めたことが功を奏した形です。もう1点は、ガイドブックや予約サイトでの評判です。「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」や「ロンリープラネット」といった有名旅行ガイドで高い評価を得たことで外国人への知名度がアップしました。さらに、旅行予約サイトでも家族経営の魅力がアピールされて、大手ホテルにはない体験ができることで外国人の興味を引いたのでしょう。

このようなインバウンドの集客に成功した温泉地が増えることで、日本の温泉地のマーケットはさらに拡大する可能性を秘めています。

この動きの中で国内の個人投資家ができることは?

最後に、外資系ホテル進出やインバウンド客の増加により、さらに拡大の可能性を秘めた温泉市場で、個人投資家ができることを考えてみます。

宿泊施設のM&Aや民泊事業を営むというアイデア

1つ目は、高齢化で跡取りのいない宿泊施設のM&Aです。ひと昔前まではM&Aというと会社による買収というイメージが強かったですが、最近では個人でできる中小企業M&Aが話題になっています。もちろん、ある程度の資金は必要ですが、日本最大級のM&A プラットフォーム「TRANBI」のサイトで検索すると、温泉旅館が3,000万円程度から買収できることがわかります。

次に、そこまでの資金はないというときに考えたいのが、周辺に空き家のある温泉地を利用したリノベーション投資です。物件の情報に関しては各都道府県の「空き家バンク」で簡単に調べることができます。上記人気温泉地ランキング1位の静岡県の場合、県公式サイトの「ゆとりすと静岡」を見れば、200万円台からさまざまな価格帯の空き家物件が掲載されています。有望な物件があれば、外国人旅行客の利用を期待した民泊事業を営むのもよいでしょう。

二拠点居住でライフスタイルの充実に

そして、もう一つが、ライフスタイルの充実に利用する方法です。自宅に加え、週末や長期休暇を別荘やリゾートマンションで過ごす「二拠点生活」の実現にも利用できます。別荘・マンションを直接購入するほか、会員権を所有するスタイルなどさまざまです。会員権には大きく分けて、複数の会員と区分所有する「所有権型」と、利用する権利のみを付与される「利用権型」の2種類があります。利用頻度や予算等を考慮して最適のものを選ぶようにしましょう。

以上、温泉地における外資系ホテルの進出状況とインバウンド効果、個人投資家としてできることを見てみましたが、人口減少・少子高齢化で縮小が見込まれる日本経済にとって、インバウンド急増が下支えになっていることは間違いありません。ただし、これまでのハイペースでどこまでも伸び続けるとは考えにくく、米中貿易摩擦や欧州政情不安などによる世界経済の減速によってインバウンドに影響がおよぶ事態も警戒しておいたほうがよいでしょう。

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