2020.9.30
ライフスタイル

ラグジュアリーホテルがシモンズのマットレスにこだわる理由

(画像=michael/stock.adobe.com)
(画像=michael/stock.adobe.com)
「当ホテルではシモンズのポケットコイルマットレスを採用しています」。ラグジュアリーホテルに宿泊するとき、こんな紹介文をよく見かけます。世界には優れたマットレスメーカーがたくさんあるにも関わらず、なぜシモンズがこれだけ採用されているのでしょうか。私たちの身近に存在するのによく知らない、そんなシモンズの魅力や歴史をひもときます。

シモンズ採用のラグジュアリーホテル ウェスティン、コンラッド、ペニンシュラ……

ハイクラスのホテルによく宿泊される人であれば、実感されていらっしゃるでしょう。シモンズのマットレスは、由緒正しき高級ホテル、海外ブランドのラグジュアリーホテルにかなりの割合で採用されています。

同社のマットレスの大きな特徴は、コイルスプリングの一つひとつを不織布で包む「ポケットコイル構造」になっている点です。これにより、身体をしっかり支え、理想的な寝姿勢をキープしやすいよう設計されています。併せてこの構造によって通気性も高めています。

現在、日本国内においてシモンズのマットレスを採用しているラグジュアリーホテル例は以下の通りです。そうそうたる顔ぶれが並びます。

シモンズマットレスを採用のラグジュアリーホテル例
東京都内 帝国ホテル東京、ウェスティンホテル東京、コンラッド東京、ザ・ペニンシュラ東京、フォーシーズンズホテル丸の内 東京、マンダリン オリエンタル 東京、東京ステーションホテル、グランドハイアット東京、東京マリオットホテル
その他のエリア 東京ベイ舞浜ホテル クラブリゾート、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル、名古屋マリオットアソシアホテル、名古屋観光ホテル、ハイアットリージェンシー京都、ザ・リッツ・カールトン京都、ウェスティンホテル大阪、帝国ホテル大阪、ANAクラウンプラザホテル福岡、ホテル日航福岡
参照:シモンズ公式(2020年8月現在)

実は、シモンズがラグジュアリーホテルに浸透したのは2002年以降

これだけ採用されている実績から、「シモンズ=世界中の高級ホテルのマットレスの定番」というイメージも強いでしょう。しかし、シモンズのマットレスが高級ホテルの代名詞になっているのは日本特有の現象で、発祥の地であるアメリカでは家庭用のマットレスメーカーとして知られているようです。

シモンズのマットレスがラグジュアリーホテルに普及したきっかけとなったのは、2002年に「ウェスティンホテル東京」が設置した「ヘブンリーベッド」です。このベッドは米ウェスティンと米シモンズが「雲の上の寝心地」をコンセプトに共同開発し、シモンズ日本法人が生産したものでした。このベッドを「売ってほしい」と宿泊客が殺到するほどの寝心地が話題となり、競合ホテルにも一気に広がったのです。

この流れによって日本でのシモンズの知名度は大きく向上。高級ホテルだけでなく、理想的な睡眠にこだわる富裕層を中心に一般消費者にも売れ始めました。

他のマットレスメーカーにないもの、それは150年に及ぶ歴史

チーズの木箱をつくる零細企業からはじまった

米シモンズは世界中のベッド関連アイテム、とくにマットレスをリードしてきたブランドです。創立者、ザルモン・シモンズ氏がアメリカ・ウィスコンシン州に会社を立ち上げたのは今から150年前の1870年のこと。もともとはチーズの木箱を作る事業からスタートしました。彼がチーズの木箱をつくりはじめた理由は、この地でチーズづくりが盛んだったという事情からです。

その後、いくつもの事業で成功をおさめたシモンズ氏は、「良質な睡眠を、手頃な価格で人々に届けたい 」と考え、ワイヤーを布で覆ったマットレスの特許を取得。当時、金属のワイヤーを用いたマットレスは庶民には高嶺の花でしたが、シモンズ氏は大量生産によって手頃な価格帯を実現しました。

現在では、ラグジュアリーホテルのマットレスの代名詞となっているシモンズが価格破壊をテーマに始まったのは意外な点といえるでしょう。そして、1911年頃から海外進出を本格化させました。各国に現地工場を立ち上げ、それぞれの風土に合わせたマットレス製造を大切にしました。

1960年代には「シモンズのある寝室」がアメリカ家庭の象徴に

世界的なマットレスメーカーとなった米シモンズの評価をさらに高めたのは、同社のトップエンジニア、フランクリン・ゲイルの1925年の発明でした。彼は苦心の結果、一つひとつのスプリングコイルを布で包み込む機械の設計に成功しました。同社では「今日までのシモンズを支えてきた最大の発明」と位置づけています。

この発明によって、身体をしっかり支え理想的な寝姿勢をキープしやすい大ヒット商品「ポケットコイルマットレス ビューティレスト」を量産化。これは現在のシモンズマットレスの原型になっています。ビューティレストの普及と共に、1960年代には「シモンズのある寝室」がアメリカのライフスタイルの象徴となったのです。

現在は米シモンズから資本的に独立しニコフ傘下に

米シモンズが日本進出を本格化させたのは、東京オリンピック開催年の1964年です。当初は米国製のシモンズベッドを輸入して販売する計画だったそうですが、最終的には日本人の体形や生活習慣にあった生活製品づくりを目指すため、神奈川県座間市に工場が建設されました。

とはいえ、進出当時の日本は畳敷きの布団が当たり前のライフスタイル。丁寧なユーザー調査とそれに基づく商品開発、地道な販路開拓を続けながら1987年にシモンズ日本法人は米シモンズから独立。1996年からは自動車部品メーカー、ニフコの傘下に入っています。その後、ラグジュアリーホテルに同社製品が広がったのは冒頭でご紹介した通りです。

トータルで100万円超になることも 体感して選ぶことが重要

現在、日本のシモンズはラグジュアリーホテルや百貨店への営業活動だけでなく、一般消費者との直接コミュニケーションにも力を入れています。芸術作品のレイアウトされた空間でシモンズ製品を吟味できるシモンズギャラリー東京(有楽町)をはじめ、主要都市(札幌・名古屋・京都・大阪・広島・福岡)にも直販の店舗を展開中で、同社のポケットコイルを体感できる場となっています。

シモンズのマットレスと一口にいっても、マットレスの硬さ、表地の材質、機能性などはさまざまです。価格帯も10万円台から60万円台まで(※)幅広くあります。周辺アイテムを含めれば100万円超になることも。そのため、実際に体感して選ぶという行為がとても大切なのです。
※マットレス単品 2020年8月現在のカタログに基づく

併せて、公式のオンラインショップで主要アイテムを手軽に購入できる環境も整えています。ここでは、ポケットコイルを内蔵した枕、シルクのような光沢をもったサテンシーツ、優れた耐久性と羽毛のような肌触りを実現した寝装品など、上質な睡眠を追求する人に応えるアイテムを取り揃えています。

なお日本のシモンズのマットレスは、すべて日本最大級のポケットコイルマットレス工場である「富士小山工場・物流センター」から届けられています。シモンズによると「JIS規格よりも厳しい独自基準をもうけ」マットレスを製造しているとのことです。この工場から日本全国だけでなく、アジア各国のラグジュアリーホテルへマットレスが出荷されています。 

最近では、健康と睡眠の深い関係がクローズアップされています。そういった追い風もあり、メイド・イン・ジャパンの高品質で良質な睡眠を追求するシモンズの存在感はますます高まっていきそうです。

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